自己肯定感を高め、成長を促すメソッド
『ABA 応用行動分析』

障害の有無にかかわらず、子どもの能力は正しい理論のもと、適切なトレーニングを積むことで格段に伸ばすことができます。ツナガリMusic Lab.では、レッスンにABAの理論を取り入れており、レッスンを通して、音楽スキルのみならず、社会性、コミュニケーション面でのスキルの向上も図っています。

またその手法を親御様に対してもお伝えして、子どもも親もストレスなく良好なコミュニケーションが取れるようお手伝いしています。

ABAについて

確かな理論に基づく分析を行う

普段、私達が人の行動を理解しようとするとき、「この人はそういう性格だから(心)」・「自閉症でこだわりが強いから(特性)」・「親の育て方が悪かったから(経験)」などとラベルをつけて理解しようとしますが、それでは「なぜ、そういう性格になったの?」等、第2・第3の疑問が湧くばかりで、問題解決の為のアクションを起こすことができません。わからないから困る、指導しても伝わらない、子どもも怒られてしょんぼり。伝えようとするほど、お互いにストレスがかかってしまいます。

一方、当教室のベーシック理論であるABAでは、人の心を観察可能な「行動」と「環境」の相互作用から分析し、理解しようとします。そして、その分析からわかった行動の仕組みを土台にして、人が今よりも豊かに暮らしていけるように生活の場で「応用」していく学問です。

ABA(Applied Behavior Analysis)は日本語で「応用行動分析」とよばれ、発達障害のこどもの療育方法として、アメリカにおいては最もポピュラーで科学的に効果が実証されている療育方法です。

基本的な考え方は、人の行動は「環境によって引き起こされ、結果(周囲の反応、変化)によって強化される」というものです。

ABAの活用例

次のような問題行動を例にABA分析の一部をご紹介します。

例1) ある親子がスーパーに行きました。子どもはお菓子コーナーの前で欲しいお菓子を見つけると、買ってほしいと駄々をこね始めました。お母さんはため息をつき、仕方ないなとお菓子を買ってあげました。

この時の子どもの行動は次のように分解できます。

①(環境)スーパーで好きなお菓子が目の前にある時
②(行動)泣いて駄々をこねると
③(結果)お菓子を買ってもらえる。

この「駄々をこねる」という行動は、親御さんからしたら『困った問題行動』ですが、子どもにとっては、泣いて駄々をこねることは好きなお菓子を買ってもらう為の『有効な手段である』という認識になります。

問題行動

  • 環境

    お菓子が目の前にある

  • 行動

    駄々をこねる

  • 結果

    お菓子を買ってもらえた

「駄々をこねる」という行動は、親にとっては問題行動でも、子どもにとっては「お菓子が手に入る」という機能をもった行動と認識される。

ABA療育ではこのように「泣いて駄々をこねる」行動を変えるために行動の機能を分析して、以下のように対応を考えていきます。
 ①の環境を変える
 ②と同じ機能が得られる、別の望ましい行動を教える
 ③の反応(結果)を変える

例えば、③の対応として、「泣いて駄々をこねたとしてもお菓子は買ってもらえない」という反応を1週間続けます。はじめはいつにも増して大きな声で泣いてしまうかもしれませんが、すぐに落ち着くようになり、一週間経つ頃にはスーパーのお菓子売り場で泣くという行動はしなくなります。この時、子どもにとっては、駄々をこねることはお菓子を買ってもらうための『有効でない手段』に替わったためです。

解決策: ③反応(結果)を変える(消去)
  • 環境

    お菓子が目の前にある

  • 行動

    駄々をこねる

  • 結果

    お菓子はもらえない

行動の結果何も得られない。すると、子どもにとって「駄々をこねる」は機能しない行動だとわかる。

例2) 親子で公園にでかけました。もうそろそろ家に帰る時間です。手を引いて帰ろうとすると、子どもはまだ遊びたいと泣いて暴れます。お母さんは子どもが落ち着くまでと思い、遊んできていいよと子どもの手を離しました。

この時の子どもの行動は次のように分解できます。

①(環境)公園で帰ろうとする時に
②(行動)泣いたり、お母さんを叩いたりすると
③(結果)帰らずにまた遊ぶことができた。

この場合は「泣いたり、お母さんを叩いたりする」という行動が、公園で遊ぶための『有効な手段である』という認識になります。

問題行動
  • 環境

    公園で帰ろうとする時

  • 行動

    泣く、お母さんを叩く

  • 結果

    また遊ぶことができた

「泣く、人を叩く」という行動は、周囲にとっては問題行動でも、子どもにとっては「もう一度公園で遊ぶことができる」という機能をもった行動と認識。

この場合は、「②の行動と同じ機能が得られる、別の望ましい行動を教える」ことを考えていくことが効果的です。例えば、泣くという行動ではなく、「あと10分」と言ったり、カードを見せたりすることを練習し、正しい行動で伝えられたら同じ結果(少し長く遊べる)+お母さんから沢山褒めてもらえるようにします。そうすることで、本人にとってもお母さんにとっても楽にコミュニケーションを取ったり、自信を高めていくことが可能となります。

解決策: ②同じ結果を得られる行動に替える(代替)
  • 環境

    公園で帰ろうとする時

  • 行動

    カードや言葉で正しく伝える

  • 結果

    また遊ぶことができた

「泣く、人を叩く」の代わりに、「カードや言葉で伝える」ことで要求は満足できるとわかる。

このように、ABAを用いた指導は、問題行動を減らし望ましい行動を増やしていったり、自己肯定感を高めながら成長を促していくことが可能です。それだけでなく、周りの大人も楽に・効果的に指導・支援をすることができるのです。

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